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ろう者学トーク2021.10.27

2021年度第5回ろう者学トーク:田村聡さん

 ろう者学ランチトークは、2013年から本学天久保キャンパスを会場として開催してきましたが、2020年度より新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため、リモート収録してネットで限定公開する方法に変更しております。2021年度もこの方法を継続しており、第5回ろう者学トークとなります。動画は全国の高等教育機関等で学ぶきこえない学生、きこえにくい学生、支援などに関わる学生、教職員の皆さまにも限定公開にて視聴いただける形としております。本記事の末尾に申込み方法を記載していますので、お気軽にお問い合わせください。

 さて今回は、ろう者として世界で初めて世界最高峰のエベレスト登頂を果たされた山岳アスリートの田村聡氏を講師にお招きして、「夢を追った36年、エベレスト『静かな』挑戦者を語る」というテーマでご講演いただきました。

田村聡さん

田村聡さん

東京都立川市出身。生まれつき、ろうあ者。
都立立川ろう学校高校卒業後、専門学校に進学。国土建設学院製図科に通い、地図・製図2級の資格を取得。登山をはじめ夏山・冬山を問わず、山をフィールドに活動する山岳アスリート。 デフ登山家、パラグライダーパイロット、ドローンパイロット(空撮からドローンレース)

2016年5月 エベレストへの3度目の挑戦 ろう者世界初登頂成功
2019年8月 富士山頂から太平洋手前までの約26kmパラグライダー飛行(ろう者初)
2021年6月 日本301名山登山全山登頂(ろう者初)

世界で誰もやったことがないことにチャレンジしています。

 「夢をあきらめない」。2016年、三度目の挑戦でエベレスト登頂に成功した田村さんは、36年越しの夢を叶えました。
 田村さんは、中学生で山梨にある渓谷で自然の素晴らしさに初めて感動し、高校生の時に新聞で日本人が世界で初めてエベレスト北壁を登頂したというニュースを知り、「自分もエベレストを登りたい」と思うようになります。大学の山岳部出身だった伯父の勧めで、田村さんは山岳会に入り、ロッククライミングなど登山の経験を積んでいきました。
 エベレスト登頂に挑戦するには8000m級の登山経験が必要なため、世界で6番目に高い山、「チョ・オユー」に登頂します。登山だけでなく、アルペンスキー、オリエンテーリングの日本代表としてデフリンピックなど世界大会に出場した経験もあります。さらに、世界一過酷なモータースポーツ競技といわれる「パリ・ダカールラリー」の二輪レースに出場するなど、驚異的な経歴を持つ田村さんですが、エベレスト登頂への挑戦は簡単なものではありませんでした。
 初めてのエベレスト挑戦は、頂上間近に迫る7950m地点というところで強風のため登頂を断念しました。二度目の挑戦も、運悪くネパールで大地震が起こったため、中国政府からの登山中止の通達により断念しました。三度目の正直、今度こそうまくいくだろうか。酸素マスクのトラブルを乗り越え、田村さんはついに念願のエベレスト登頂に成功します。
 エベレスト登頂を果たした後は、世界で2番目に高い山「K2」の登頂を目標にしながら、パラグライダーのパイロット免許を取得するなど、現在も挑戦を続けられています。田村さんは「ろう者も聴者も勇気と努力で可能性は切り拓ける」との心強いメッセージを残してくださりました。
 ご講演くださった田村聡さん、本当にありがとうございました!

視聴の申込方法

 本動画の講師である田村氏は日本手話言語で講演しております。動画は20分17秒で、日本語字幕を付与しています。ぜひご視聴ください。視聴をご希望される方は下記をご確認の上、下記申込先までご連絡ください。

高等教育機関等の名称・部局:
氏名:
視聴期間:〇月✕日~〇月✕日(2021年10月から2022年2月までの間、
     日曜日開始・土曜日終了の1週間を上限とする)
     視聴希望日の1週間前までにお申し込みください。
     事務局スタッフの勤務体制により、
     日にちによりましてはすぐに対応できない場合がございます。
対象者:きこえない学生、支援学生、支援室関係者など
対象者数:◯名
申込先:info●deafstudies.jp (●に@を入れてご使用ください。)

皆さまのお申し込みお待ちしております。

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