お知らせ

ろう者学トーク2025.08.06

2025年度ろう者学トーク限定配信(第1回)のご案内  長谷川晃子氏「宇宙に憧れて」

ろう難聴者の様々な生き方を模索していく学問でもある『ろう者学』。

本学では、ろう者学教育コンテンツの開発及びろう者学を学ぶカリキュラムの作成や提供に取組み、2013年度から取組みの一環として「ろう者学ランチトーク」を開催してきました。

2019年度までは本学天久保キャンパスを会場として対面で開催しておりましたが、2020年度からは新型コロナウイルス感染症感染拡大防止に伴い、「ろう者学ランチトーク」の開催形態を変更し、「ろう者学トーク」として撮影・編集した映像コンテンツをご提供しております。

「ろう者学ランチトーク」と同様に、本学や他大学等を卒業した後にキャリアを積んでいるきこえない方々を講師として、これまでのご経験や現在の活動を通して、ろう難聴者のキャリア形成に必要と考える知識についてご講演いただいております。

本コンテンツはお申し込みいただきました皆様への限定公開となっておりますが、全国の高等教育機関等で学ぶきこえない・きこえにくい学生、きこえる学生、支援などに関わる学生、教職員の皆さまをはじめ、ろう者学やろう難聴者に関心をお持ちの方々にも視聴いただけます。視聴のお申し込み方法につきましては、下記をご参照ください。

 

2025年度第1回ろう者学トークの講師は、本学卒業生で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)で科学衛星の運用支援に携わっている長谷川晃子氏です。「宇宙に憧れて」というテーマでご講演いただきました。

 

最初に講師 長谷川晃子氏のプロフィールをご紹介いたします。



長谷川 晃子 氏


筑波技術短期大学卒業(第11期生)

プログラマーとして4年間の勤務を経て、

2007年より宇宙航空研究開発機構(JAXA)に勤務。



 長谷川さんが宇宙に興味を持ち始めたのは5歳の頃。お母さんに連れられて星空観察や宇宙関連イベントに参加し、望遠鏡で木星を観測した経験から宇宙への憧れを抱くようになります。そして、テレビで見た日本人女性初の宇宙飛行士・向井千秋さんの姿に「女性も宇宙に行けるんだ!」と心を動かされたそうです。

 

 小学校から高校までは一般校に通っていたため、筑波技術短期大学(現・筑波技術大学)に入学してから手話を覚えたといいます。大学では情報工学を学び、卒業後はプログラミング技術を活かせる企業に就職します。JAXAで働く夢を持ちながらも、「やはり遠い存在かもしれない」と感じていた時期もありましたが、「好きなことを仕事にする」と努力する友人に刺激を受け、挑戦を決意します。JAXAの障害者採用の募集を知ったのは締切の4日前でしたが、宇宙への思いをぶつけて応募し、見事採用が決まります。

 

 現在は、科学衛星運用データ利用ユニットに所属されています。地上のアンテナと宇宙に浮かぶ人工衛星との間で通信が行われる中、相模原にある管制室と、長野県・鹿児島県に設置された4基のアンテナを用いて、人工衛星とのデータの送受信を管理する業務を担当されているとお話ししてくださいました。

 きこえない長谷川さんにとって、職場でのコミュニケーションには工夫が欠かせません。丸めて持ち運べるホワイトボードを用いた打ち合わせ、チャットでのやりとり、同僚による手話の習得などを通じて、円滑なコミュニケーションを実現してきたといいます。最近は、Teamsや音声認識ツールも活用しているそうです。

 また、2020年に小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」に着陸・サンプル採取に成功した際には、多くの仲間の支えによって情報を十分に得られたことが、何より嬉しかったと語ってくださいました。さらに、JAXAの特別公開イベントでは15年にわたり手話による案内を担当しており、近年は、きこえる人向けの「手話×謎解き」企画もスタートし、手話の魅力を広げる取り組みも続けています。

 

 最後に長谷川さんは、「障害も含めて自分を知ること」「柔軟な対応力」「仲間を増やすこと」「諦めずに挑戦すること」の大切さを語り、力強いメッセージを届けてくださいました。

 ご講演くださった長谷川さん、本当にありがとうございました!

 

 

講師の長谷川氏は日本手話言語でご講演いただいております。

動画には日本語字幕を付与しておりますので、ぜひご視聴ください。(28分59秒)

 

【お申し込み方法】

視聴をご希望される方は、ろう者学教育コンテンツ開発ウェブサイトの「お申込み&お問い合わせ」のページにて、下記破線内1〜5についてご記載のうえお申し込みいただきますようお願いいたします。

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1. 教育機関等の名称・部局:

2. 氏名:

3. 視聴期間:〇月✕日〜〇月✕日(2025年8月から2026年3月までの間、日曜日開始・土曜日終了の1週間を上限とする)

      ※視聴希望日の約1週間前までにお申し込みください。

4. 利用目的:(例:授業、研修、視聴会など)

5. 対象者数:〇名

※本コンテンツは学生、教職員、支援・教育関係者の皆様にご視聴いただけます。

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【問い合わせ先】

ろう者学教育コンテンツ開発ウェブサイトの「お申込み&お問い合わせ」のページにてお問合せください。

※担当者の勤務体制により、映像コンテンツ視聴のお申し込みやお問い合わせの対応にお時間をいただく場合がございます。

あらかじめご了承ください。


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