第3回ろう者学ランチトークの開催報告:管野奈津美

2013/09/10掲載

 7月17日(水)に第3回ろう者学ランチトークが開催されました。

 今回のテーマは「デフアート①」です。(※今後数回にわたってミニレクチャーを行う予定です。)

 今回講師を務めたのは、本プロジェクトスタッフの管野です。管野は、日本財団聴覚障害者海外奨学金事業の第5期奨学生としてギャローデット大学留学中にデフアートを学び、これまでろう者としての芸術表現、また欧米におけるデフアートの歴史やろう者の芸術活動の動向の整理などに取り組んできました。

 おかげさまで教職員・学生あわせて28名の参加がありました。

 シリーズ1回目となる今回は、デフアートについてこれから学ぶための序章として、「アートとは?」を、テーマに視覚芸術の概念や美術の歴史、様々なマイノリティアート(先住民アート、セクシャルマイノリティアート、アウトサイダーアートetc.…)についてお話ししました。

 また、これに関連して、芸術家が遺した以下の言葉もご紹介しました。

■トルストイ:「一度経験した感じを自分のなかに呼びおこすこと、そして、それを自分のなかに呼びおこしたら、動作、線、色、音、言葉であらわされた形などの手段によってこの感じを他人もこれを経験できるように伝えること、…これが芸術の働きである」

 …これらの言葉になぞらえて、デフアートが単に手や耳をかたどるに留まらず「ろう者としての内なるもの」を表現するという独自性をもち、他のアートと同等に確立されているものであるということを、メッセージとして受け取っていただけたのではないでしょうか。

 参加して下さった皆さま、ありがとうございました。

 今回は、デフアートの作品のほんの一例をご紹介しましたが、次回(※10月以降開催予定)は作品鑑賞を通して、デフアートに対する理解をさらに深めていけたらと思います。お楽しみに!


 

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